2021-06-28

クリティカルシンキング(1) 「ゆる~いおしゃべり会」&訳者まえがき

田中広樹さんに紹介いただいたゼックミスタの「クリティカルシンキング」をテキストに、来週7/6火曜日から隔週の読書会を行う事にしました。

それに先立って、明日(29日)夜に「ゆる~いおしゃべり会」を行います。
https://www.facebook.com/events/1928400477323457

テキストをパラパラと眺めてますが、なかなか面白いです!

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クリティカルシンキングといえば、従来は「問題解決」「意思決定」「効果的な議論」などが中心だったようですが、この本ではその前提となる領域にも触れてあるため、背景的なところから深く理解できそうです。

また、例えば「A(出来事や問題)が生じた原因はBにある」(原因帰属)と考える時、その人が持つ個人的特性を重視し、周囲の状況からの影響を軽視がちという傾向があること(基本的帰属錯誤)を知っていると、ホントにこの人個人の問題なんだろうか?それを引き起こす要因があったのではないか、と考えを広げることができます。

これは、頭の良し悪しではなく、考え方のコツを身に着けることで誰でもできるようになる「技術」なのだそうです。

ナラティブアプローチでは、個別ケースを大切にしますので、こうしたことも知っておくと無自覚な思考の特性に流されることなく、向き合いやすくなるかもしれない、と感じています。
個人的には、ある勉強会で「創造性の発揮のためには、クリティカルシンキングのスキルは必要」と語られた方のことばが耳に残っていて、これまでとは違った興味が湧いてきています。

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以下、巻頭の2つの「訳者まえがき」より要約

●この本は、日常生活を題材にして思考の原則を学ぶ「物の考え方の体系的な学習テキスト」

●クリティカルシンキングとは
・「人間が陥りやすい思考の落とし穴や先入観による影響などを十分に自覚した上で、そこから脱却し、物事を冷静に、客観的に、論理的に考え判断していく『技術』」(訳者の定義/原著に定義はない)
・従来「批判的思考」と訳されるが、「批判的」という言葉が持つ攻撃的なイメージ「相手の落ち度を指摘し、けなし、打ちのめす」という意味はないので「クリティカル」と原語のまま使う

●この本の3つの基本方針
①実生活で役立つ思考力を身につけるために日常生活の出来事を題材にする
②考え方の指針を「クリシン原則」という形で簡潔明快に提示することで、「既に知っていること」をいつでも使えるように整理する
③練習問題を自分で考えることで「原則」を応用する技術を学ぶ

●翻訳方針
・文化的背景を踏まえ、言葉の正確な解釈よりも内容(考え方)を理解しやすい形であることを優先
・全編に加除、図表の追加などがある/原著の章末まとめを「原則」として文中に配置

●全体構成
 ※これもとても興味深いのですが、図にした方が分かりやすそうなので、ここでは割愛します


#クリティカルシンキング


2021-06-27

「ナラティヴ・セラピー・ワークショップ」(1) 第1章

昨日午後は、久しぶりにナラティヴの読書会に参加
今回から国重浩一さんの「ナラティヴ・セラピー・ワークショップ Book 1」がはじまった。

積読が増えているので購入を見送っていただが、今回参加に合わせて注文。
午前中に届いたので、ザッとパラ見。

ナラティヴ・セラピーのワークショップの内容がまとめられている。
「あなたへの社会構成主義」よりはるかに読みやすいけど、視点の深さなど似た感覚がある。

今回の範囲は、イントロと第1章。

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「名前の持つ力はすごく強くて、詳細についてはほとんど知らなくても、名前を聞いたら何となく分かる」
ナラティヴ・セラピーの名前の由来を例として、 「『ナラティヴ』という名前から理解してそのまま議論を展開しようとしているように見受けられるものが多くある」「(その結果)かなり誤解されて伝えられた」。
名前から出発していろんなものを作り上げてしまうことへの警告、そこに内在する危険性についての指摘は実に鋭い!
先般コメントした「クリティカルシンキング」と「批判的思考」のことを思い出した。

「様々な事象から一般化し普遍化していく欲求は『個別ケースへの軽蔑的態度』(ウィトゲンシュタイン)」 という厳しい言葉の引用。
それに続いて、一括りにされた「薄い描写」で相手の事を分かったつもりになることなく、個別ケースの「豊かな描写」の語りを聴くことで、聴き手である私の中で人や問題に対する見方の変容が起こり、それが相手の変化を促す可能性があることを丁寧に説明されている。

また、被災地支援の事例から、聴き手の想像力が相手への関与の幅を狭めて、こちらの期待に沿った答えを引き出してしまい、語り手から語られることを制限することが示されている。語られる状況(文脈)は、語られる内容に大きな影響を与えるという。
オープンな問いかけをしているようでも、語り手からは「ここで話すべきことがどうか」を瞬時に判断した回答が出てくるということ。
これは日常生活の中で、無意識・無自覚に行っているので厄介だ!

ナラティブでは、人と問題を分けるが、問題が問題として存続し続けるのは、認識の枠組みによる。そして、問題にかかわる人々のやり取りにフォーカスするのではなく、その枠組みを支えている「舞台装置(世界観)」=「支配的ディスコース」を見ていく。
私たちは、目の前の現象に意識を奪われてしまうが、「それを引き起こしているモノは何か?」に焦点を合わせていくことが大切になりそうだ。

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わずか1章の内容だが、たくさんの刺激と学びをいただいた。


#ナラティヴ

#支配的ディスコース

#ウィトゲンシュタイン


2021-06-26

備忘録:Chromebook化したノートPCの修理

 【備忘録:Chromebook化したノートPCの修理】

1年前にWindowsVistaをCloudreadyに入れ替えてCromebook化した古いノートパソコンが、先日戻ってきた。

姪っ子がYoutubeマシンとして使っていたが、どうやら起動しなくなったらしい。

角の一部が割れて欠けているので、落としたのかもしれない。


HDDなどの物理的な損傷なら無理かも、と思いながら修理に着手


uncompression error system halted

確かに起動しない。。。


・BIOS確認:問題ないように見えるがデフォルトに戻してブートの再設定

・別のPCでCloudreadyのインストール用USBを再作成して、USBブートの準備

・「uncompression error system halted」の対処法をWebで検索

 →メモリの再挿換で解消する例もあるようだ

・バッテリーパックを外して放電処置

・その間にノートPCをひっくり返してメモリの差し換え

・インスト―ル用USBを挿して起動すると、ようやく動いた


問題なさそうに見えたので、一度電源を落としてUSBを外す


本体のみで起動しても問題なく稼働


再インストールの必要はなかったのは助かった!

試しに少し使ってみたが、動画もWebの複数タブでの利用も問題なく使える


朝から何やってるんだろうと思いつつも、やはり使えるようになると便利かも(^^) #Chromebook

#Cloudready



2021-06-20

「対話のきくはなすを学ぶ場」Season1(聴き方編)全6回終了!

クロちゃん( 西岡 望さん)と進めてきた「対話のきくはなすを学ぶ場」

先週、Season1「聴き方編」、毎月1回の全6回を終えました!

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「実際の生活では、反射的で感情的な会話が多いかも」

「『対話』のマインドを持って、話をすることって少ないよね」

「自転車に乗れるようになるのと一緒で、練習しないとできないよね」

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というところから、「対話のきくはなすを学ぶ場」は生まれました。


「聴き方編」では
知識として特定の聴き方を学ぶわけではなく
参加者が自分のことを語り、
グループの人がそれを聴いて
自分が受け止めたことを語る


受け止めたことの違いが共有されることで
自分の聴き方のクセに気づいたり
こんな聴き方をしてみたいと刺激を受けたり
毎回違う聴き方にチャレンジしたり
と人それぞれに取組を行ってきました。


普段の聴き方との違いも意識してみると、

自分の対人関係のクセも見えてきそうでした。

意識しないと何も変わらないけど

意識を向けると徐々に変わり始める

対話力を身に着けるには、

とても良い実践的な学びの機会になりました。


7月21日から、Season2「価値観の違い編」が始まります。

よろしければご一緒しませんか!


※6月30日に誰でも参加できる「対話のきくはなすを学ぶ場 交流会」も行います!

こちらもぜひどうぞ!


2021-06-11

The Fearless Organization ー恐れのない組織ー

どうしても読みたくて入手したのはいいが、なかなか手が付かずに1週間が過ぎた。


時間的に精読は難しいので、Books&Dialogでの手法を使って、全体を把握。


「心理的安全性とは、支援を求めたりミスを認めたりして対人関係のリスクを取っても、公式・非公式を問わず制裁を受けるような結果にならないと信じられることだ」(p40)


航空事故の事例を通して、心理的安全性の有無は、時に人命にも関わる重要な要因になりうることを再確認させられた。


著者エイミー・エドモンドソンは、どうしてこの本を著そうと思ったのだろうか?と自問してみた。
危機感やアイデアなど必要なことを感じ取っている人が、それを場に出せない。この心理的圧迫感が、チームや組織にマイナスに働き、時に人の生命までも奪ってしまう。これからの世界を創るためには、感じ取ったことを場に出して共有できる関係作りが必要だと考えたのではないだろうか。


第3部では、The Fearless Organizationー恐れのない組織ーをどのように創るかについて、著者の考える実現のプロセスを詳しく紹介されている。

また実践上の様々な疑問にも応えてあり、丁寧な構成だと感じた。


これまでに、学習する組織などで取り組んできた様々なファクターが織り込まれており、違和感なく、親和的に向き合える本だった。

リーダーシップのためのツールキットとしても有益。

もう少し体系を押さえて、組織づくりに織り込んでいきたい。


#恐れのない組織

#心理的安全性

#エイミー・エドモンドソン

教育現場での変革実践事例

 「学習する組織」の自主学習会LOLO1丁目のオンライン定例会に参加。

10年以上続いている勉強会で、昨夜は第11期の最終回。

メンバー事例として、小学校の現場を改革してこられた元校長先生のお話。


限られた時間の中で、宿題と児童集会を軸に変革の過程を紹介いただいた。

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校長として赴任、先生方に理想と課題を出してもらい、学校だけでなく親も地域もOKな状態を目指す

「やらせる」管理型教育から脱却して、関係性と自己決定性を大切にした教育へと置き換えていくことで、体罰問題や残業も減少、先生方のやりがいも膨らんでいった


先生たちが話し合う時間を設けていく

宿題や児童集会など児童に自分で決めてもらう機会をふやしていく

先生方向けの「校長通信」を年間70本発信、外部講師の研修や自主研なども積み重ねながら、変化が目に見えるようになるまで3年かかった


●[Q&Aより]意見を言えない現場の空気はどう醸成されるか

・隣のクラスと同じことをやらないと父兄からのクレーム

・できる子にも詳しい説明 「ちゃんと教えてくれたのか」が問われる

・「すべての人から良く思われなければならない」という前提

 ⇨説明責任を果たすために、みんな同じにする(無言の圧力)

  変化することに膨大なエネルギーが必要/社会がつくってきた問題


そういった対応も含めて時間が無くなる⇨「そもそも」という本質を感がる時間がない⇨どうすればできるかというスキル思考にしか関心がない⇨考えないでやっていくことを選択


<印象に残ったフレーズ>

・リフレクションができる先生は、児童のリフレクションも指導できる

・同時多発的に教室内で起こる問題⇨何をどうしたらいいかわからず、感情的に叫ぶ先生⇨学級崩壊のパターン

・感情的に怒って手のつけられない中堅の女性の先生も少なくない

・先生は、普通のコミュニケーション能力では難しい。優れた対応能力が求められる


<対話の場でのテーマより>

●宿題について

強制的な宿題から、自分で決める宿題への変革を通して、学びへの意欲やポジティブなイメージで取り組めるようになってきた。平均点が10点アップという実績も。

現象面のポイントは、強制的な宿題が無いことから生じる親の不安への対応。児童一人ひとりに任せても前向きに取り組めるような働きかけができるように先生のスキルアップ、かな。


●児童集会について

例年3週間前から担当の先生の指示で、委員の児童たちが言われた通りにやる。

やる気がない⇨場がおもしろくない⇨ザワザワ⇨先生に叱られる⇨がっくり

という悪循環だった。

3カ月前から「どんな集会をしたい」と児童に問いかけ考えてもらうところから。

様々な立場の児童に配慮した集会ができた。委員の児童たちに自信。

⇨ [副次効果] 後日の父兄参観の後に、低学年の児童も含めてミニ児童集会を委員たちがやってくれたため、低学年クラスの学級懇談の時間を設けることができた

<所感>

・企業組織にも応用できるポイントがたくさんあった

・やらせられる管理型の組織内で個が成長していくためには、やることの目的を自ら創造できる自発 性を発揮できるかどうかによって大きく変わるが、これはなかなか難しい

・今回紹介していただいた事例は、組織の風土そのものを「やらせる」管理型から関係性と自己決定性の中で自ら選択して成長していくこれからの時代のモデルのように感じた

【10月スタート】2つのダイアローグの取り組み

 10月からダイアローグ(対話)の2つの取り組みをスタートします 仕事以外にこんな活動もやってるよ、というご案内と、10-12月はちょっと忙しくなるかも、という言い訳を兼ねて。以下、長文です。 ライフワークのように取り組んでいるダイアローグ(対話)に関して、来月から2つの取り組み...