2021-06-11

教育現場での変革実践事例

 「学習する組織」の自主学習会LOLO1丁目のオンライン定例会に参加。

10年以上続いている勉強会で、昨夜は第11期の最終回。

メンバー事例として、小学校の現場を改革してこられた元校長先生のお話。


限られた時間の中で、宿題と児童集会を軸に変革の過程を紹介いただいた。

ーーー
校長として赴任、先生方に理想と課題を出してもらい、学校だけでなく親も地域もOKな状態を目指す

「やらせる」管理型教育から脱却して、関係性と自己決定性を大切にした教育へと置き換えていくことで、体罰問題や残業も減少、先生方のやりがいも膨らんでいった


先生たちが話し合う時間を設けていく

宿題や児童集会など児童に自分で決めてもらう機会をふやしていく

先生方向けの「校長通信」を年間70本発信、外部講師の研修や自主研なども積み重ねながら、変化が目に見えるようになるまで3年かかった


●[Q&Aより]意見を言えない現場の空気はどう醸成されるか

・隣のクラスと同じことをやらないと父兄からのクレーム

・できる子にも詳しい説明 「ちゃんと教えてくれたのか」が問われる

・「すべての人から良く思われなければならない」という前提

 ⇨説明責任を果たすために、みんな同じにする(無言の圧力)

  変化することに膨大なエネルギーが必要/社会がつくってきた問題


そういった対応も含めて時間が無くなる⇨「そもそも」という本質を感がる時間がない⇨どうすればできるかというスキル思考にしか関心がない⇨考えないでやっていくことを選択


<印象に残ったフレーズ>

・リフレクションができる先生は、児童のリフレクションも指導できる

・同時多発的に教室内で起こる問題⇨何をどうしたらいいかわからず、感情的に叫ぶ先生⇨学級崩壊のパターン

・感情的に怒って手のつけられない中堅の女性の先生も少なくない

・先生は、普通のコミュニケーション能力では難しい。優れた対応能力が求められる


<対話の場でのテーマより>

●宿題について

強制的な宿題から、自分で決める宿題への変革を通して、学びへの意欲やポジティブなイメージで取り組めるようになってきた。平均点が10点アップという実績も。

現象面のポイントは、強制的な宿題が無いことから生じる親の不安への対応。児童一人ひとりに任せても前向きに取り組めるような働きかけができるように先生のスキルアップ、かな。


●児童集会について

例年3週間前から担当の先生の指示で、委員の児童たちが言われた通りにやる。

やる気がない⇨場がおもしろくない⇨ザワザワ⇨先生に叱られる⇨がっくり

という悪循環だった。

3カ月前から「どんな集会をしたい」と児童に問いかけ考えてもらうところから。

様々な立場の児童に配慮した集会ができた。委員の児童たちに自信。

⇨ [副次効果] 後日の父兄参観の後に、低学年の児童も含めてミニ児童集会を委員たちがやってくれたため、低学年クラスの学級懇談の時間を設けることができた

<所感>

・企業組織にも応用できるポイントがたくさんあった

・やらせられる管理型の組織内で個が成長していくためには、やることの目的を自ら創造できる自発 性を発揮できるかどうかによって大きく変わるが、これはなかなか難しい

・今回紹介していただいた事例は、組織の風土そのものを「やらせる」管理型から関係性と自己決定性の中で自ら選択して成長していくこれからの時代のモデルのように感じた

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