2021-10-21

お互いに大切に想うから起こること

先般、信頼している方との打ち合わせで感じたこと

私が相手の方を大切にしたいと思っているように、
相手の方も私のことを大切に想ってくださっている

だからこそ、お互いに相手のことを尊重したいという想いがある


二人で、様々なテーマについて検討する対話を重ねるなかで感じたこと

・対話の過程で、仮置きした言葉について背景を丁寧に説明すると、
 そこに発話者の深い想いがあるように伝わる&受け止める

・発話者はアイデアの1つとして軽く考えていることでも、
 受け手は発話者の強い想いのある言葉として受け止めてしまう

 例:「この名称に○○という表現を入れたい。なぜかというと・・・」

   「こういうのを作るのはどうだろう。そうすると・・・」

・受け手としては、相手の想いを最大限、尊重しているつもりなのに、
 対話が進む中で、発話者の意見や考えが変わることがあると、
 「あれっ、こちらに配慮して、トーンダウンしたのかな」
 「それとも、そこまで大事に思ってないのかな」となる

・発話者は、「相手は、こちらが何気なく提案した内容を大切にしたいと考えているのかな」
 と受け止めることもある

あぁ、相手の事を大切に想うがゆえに、心の中で相手の事を慮り、
行き違いが起こることにつながるかもしれないなぁ
それが混乱を生み出すことにもなるだろう

相手の事を大切に想う関係だからこそ、
多少面倒でも、勝手に心の中で推察してことを進めるのではなく
言葉にして確認しあうことが大切だと感じた


そういえば、随分以前にも同じようなことがったような気がする

上司の立場で、部下との関係で
部下の立場で、上司との関係で


相手の事を大切に想うがゆえに、
相手がそれほど重要に思っていないことに対しても
出てきた言葉を受け止めて勝手に配慮し過ぎてしまう

相手に打診するとそれほど重要に思ってなかったり、
更にはその発言自体を覚えてないこともある

そんな時、相手に対して失望したり、想いが覚めたり・・・

独り相撲だったんだなぁ。。。


オープンダイアローグで「多声性」が大事にされるように
一人の人の中には、様々な声がある


ナラティブ・アプローチで語られるように
言葉にならない想いが言葉として紡がれていくプロセスにおいては
定まっていない言葉が発せられることがある

胸の内にある形の定まらないことを、初めて言葉にするときは、
語り慣れていない内容ため、
それを表現する言葉そのものもしっくりこない
何度も修正しながら固まっていくこともある


想いがあるからこそ出てくる言葉
そこには試行錯誤がつきもの


相手から出てきた言葉に反射的に反応しないこと
そして、その後ろにある想いをしっかりと受け止めながら、
自らの受け止めや解釈も言葉に出して、
お互いに確認していく


話のテーマとなっているコンテンツだけでなく、
その時に自分の中で、あるいは自分と相手の関係において
起きているプロセスについても言葉に出しながら
共有し合うことができるといいのかもしれない

2021-10-20

壱岐での歩行ラリー体験

10月中旬、壱岐の辻の原遺跡を訪れ、「歩行ラリー研修体験」をさせていただきました。

今回、壱岐で歩行ラリー研修の体験をさせてくださったのは
2018年に福岡市から移住された小林伸行さん。

小林さんは、初期のころからこの「歩行ラリー」に関わってこられた
矢田昌宏氏を代表とする「一般社団法人みらい環境研究会」の理事を務めておられ、
壱岐での歩行ラリー研修の実務的な責任者です。


まずは「歩行ラリー研修」が始まった経緯について少しふれておきたいと思います。


■ソニー元常務の小林茂氏と「歩行ラリー研修」

今から60年ほど前のことです。
当時は中学卒業生が集団就職する時代で、
トランジスターを製造していた厚木工場では歩留まりが低く、
経営状態は良くなかったそうです。

そんな中で、出版業界出身のソニー元常務の小林茂氏が、
専門外のソニーの厚木工場長に就任。

小林茂氏は、「モノ造リは、生産の技術改善だけでなく、
 むしろ直接作業する人たちの自発的良心によるところが大変重要である」
として、タイムレコーダー廃止のエピソードに代表されるような、
自主管理を大切にする「信頼に基づく人間中心主義的経営」を展開していかれたそうです。


当時の変革途上の厚木工場で
トイレ掃除を担当していた女性は、
その4、50年後に当時を思い出して
「あれは夢だったのかもしれない」
と口にされていたそうです。
当時は、工場に早く出かけたくて気がせく毎朝だったとのこと。


また、小林茂氏は、マネジメントサイクルの体験学習として歩行ラリーを実践。
これがQC活動のきっかけとなり、
生産現場と研究開発が一体となって活性化したそうです。

社員各人が本来的に持つ「自ら考え、自ら動く力」を疑似体験する場として、
この「歩行ラリー」は、ソニーグループ内に留まらず、
他の日本企業にも広がっていったようです。

東京ガスや富士ゼロックスを始め、
数多くの組織で取り組みが行われたそうです。


冒頭でご紹介した
「一般社団法人みらい環境研究会」の代表理事・矢田昌宏氏は、
この初期の段階から携わっておられ、
他社への普及にも大きく貢献してこられたそうです。


■今回の壱岐での体験を通して

今回は、原の辻遺跡の王都復元公園を中心に、
通常の初回コースの約半分の30分程度の体験コースを用意いただいていました。

2人組でスタートしたのですが、
ゴールするまでに約3倍の1時間半程度かかってしまいました。


小林伸行さんによる事前レクチャーを受けた後、
今回、歩行ラリーの実体験をさせていただいたことは、
とても貴重な機会になりました。

歩行ラリーの体験の持つ強烈なインパクトは、
決して座学では至ることのできないものでした。
今回、実際にその一端を、少しでも味わうことができたことで、
頭の中での理解とは違うものが入ってきた感覚があります。

アプローチの仕方は様々あれど、
人が変容していくプロセスにおいて、
大切なことは本質的に同じなんだと
改めて確認させてもらった感じです。

組織開発、人材開発を考える上でも、
とても貴重な体験をさせていただきました。 #歩行ラリー #壱岐


2021-10-17

知識が成長を妨げることもある

IDGs(Inner Development Goals)を学ぶオンラインの場で 
成人発達理論について、ハッとするコメントがあった。


(成人発達理論の)知識のフレームがあると、
内面はその段階に至ってなくても、
外面はそのように振る舞ってしまうことがある。
それが、かえって発達を遅らせてしまう


成人発達理論では、成人後は生涯をかけても、1-2段階の発達に留まることが多い。

理論を先に知ることで、あたかも自分が
先の段階に「発達」したかのような振る舞い
を選択する人が出てくることもある。

本人の中で、「私はこの段階にいるんだ」という思い込みが生じることで
本来、自身が向き合って取り組むべきテーマに向き合わなくなる
結果として、本人の発達につながらない


発達段階を登っていくプロセスとして
その段階を十分に満喫して、良し悪しも味わった上で
その段階の限界に突き当たり、
もがき苦しむ中から次の段階への道筋が見えてくる

そして「含んで超える」といわれるように
上位段階に至っても、下位段階の要素がなくなるわけではない
(上位・下位という表現はしたくないが・・・)


そういえば、
ケン・ウィルバーの著作だったと思うが
実際にその段階に達している人の割合と、
本人の自覚する段階の割合の違い
のような記述があったように思う
あとで確認しておこう!


いずれにしても、
これは、見落としがちな視点だなぁ
十分に留意していきたい!

【10月スタート】2つのダイアローグの取り組み

 10月からダイアローグ(対話)の2つの取り組みをスタートします 仕事以外にこんな活動もやってるよ、というご案内と、10-12月はちょっと忙しくなるかも、という言い訳を兼ねて。以下、長文です。 ライフワークのように取り組んでいるダイアローグ(対話)に関して、来月から2つの取り組み...