2019-03-31

「出現する未来」を読み返す 「第1章 レクイエム・シナリオ」

「出現する未来」を読み返す 「第1章 レクイエム・シナリオ」

2000年11月 オットーの自宅にて

・スカンディック(スウェーデン)『持続可能なホテルの実現』という公約

・未来を変えるには・・・『生き方を変えたいか』どうか・・・この問いの下には、とてつもない不安が横たわっている。

・ジャック・マイルズ(J・ポール・ゲッティ財団)『世界のレクイエム』(※)
 人類が問題を克服できず、持続可能な社会を作れない(=人類が絶滅する)かもしれないと気づいたら、どうなるかを予測

「未来のシナリオをいくつか描くことで、人々が目覚めた例はいくらでもある」(ジョセフ)
「人類も、滅亡に向かっていることに気づけば、死を悟った人間と同じ心理になるんじゃないかしら」(ベティ・スー)
「本当の意味で死と向き合い、不安を避けるのではなく、不安について真実を語れば、何かが変わるかもしれない」(ピーター)

・不治の病と診断された世界銀行に勤務するフレッドの話

・「レクイエム・シナリオはその役割を果たしてくれるのかもしれない」

ジャック・マイルズ(J・ポール・ゲッティ財団)『世界のレクイエム』に関連するサイト
GLOBAL REQUIEM:
THE APOCALYPTIC MOMENT IN RELIGION, SCIENCE, AND ART
by Jack Miles

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2012年から14年ごろ
エンディングノートなど
相続に関することにも携わっていた

相続での争いは
遺産という財産分配の問題ように見えるが
本質は、長年積み重ねられてきた
家族の人間関係の問題である

価値基準の違いによって
お互いに受容できない関係に陥る

自分自身が大切にしている価値観に気づき
関係の在り方を意識して
相手の価値観も尊重しながら
自分も相手も大事にする関わり方を
積み重ねていくことが大切だと痛感した

関連して実施してきたワークショップの中では
余命宣告され1年後の死を意識して
周りとの関係や自分がやりたいことなどを
考えてもらうことに取り組んできた

そこでは
日頃の思考パターンとは全く異なる視点からの
想いや言葉がたくさん出てくる

正に、
個人にとってのレクイエム・シナリオに
直面していたわけだ

この時期の取り組みは、
自分自身が
やがてこの世の中からいなくなる存在であることを
強く意識させられる契機の一つになっている


それを、組織や社会において取り組んでみることへの提言でもあり、
そのことによって、一人ひとりの変容につながることがあれば
大きな変化の一歩となることだろう

2019-03-08

教育研修のプログラムデザイン(2) 教育研修の目標設定

●目標設定においては、
・実現可能性に留意する :とても実現できないことを目標にしても意味がないため
・明確に文章化する :誰が見てもはっきり理解できるように

<理由>
1)次の各段階で、何のための取り組みなのか曖昧になることを防ぐ
 ・プログラムの設計・立案の基準
 ・教育研修の実施段階での基準
 ・実施後の評価の基準

2)スタッフの共通理解のため
 実施段階に入ると、予期せぬことが起こりがちなので、スタッフ間で目標に対する共通理解を図り、混乱を防ぐ
 長期のプログラムにおいては、いつでも戻れる場として目標がある

3)学習者とスタッフの共通理解のため
 ・何のために、いま取り組んでいるのかわからなくなると、学習の障害になりかねない
 ・両者がいつでも戻れる場として必要
 ・あらゆる場合に「視点」としての役割を持つ

●プログラム全体の教育目標と個々の学習の狙いについて
 個々の学習の狙いは独立しているため、言葉として一致する必要はないが、全体の教育目標と大きくずれるようなことでは困る。この点は、時々混乱することがあるので留意。

教育研修のプログラムデザイン(1) ニーズの把握

(1)ニーズとは

1)現実的欲求「~したい」

ゆっくりしたい」「旅行に行きたい」「ゲームをして遊びたい」など
 ・無視することはできない
 ・表面化させておくことは、学習の上でもプラスになる

2)変化(成長)への欲求「~のようになりたい」「~のように変わりたい」

・潜在的/自覚的なものと無自覚なものもある
 ・自分の現状への気づき ⇒  変化(成長)=現実からの脱皮、行動や態度の変容
 ・無自覚なニーズを引き出すことができると、学習効果につながる

(2)プログラム・デザインの際のニーズについて

1)学習者のニーズ

・どのようなことを期待しているのか
 ・どのようになりたいのか
 ・何を学びたいのか
 データ収集を行い、まずは学習者のニーズに光を当てる

2)スタッフのニーズ

・何のために開催するのかを明確にしておく
  伝えたいことは何か/社会が求めているものはなんであるかを明確にする

3)2つのニーズのすり合わせ

学習者とスタッフのニーズが明らかになれば、2つのニーズをすり合わせる
 主催側のスタッフ・ニーズが中心になりがちだが、学習者が自覚的(意識的)/無自覚(潜在的)に求めていることにも、ふだんから深い関心を持って観察し、情報を収集しておくことが必要

(3)データ収集

学習者・スタッフ双方の現状を把握する

1)テーマ

・これまでの経験
 ・現在の関心や期待
 ・問題意識
 ・持っている力(リソース)
 ・心理的な状態(不安感など)
 ・双方を取り巻く環境
 ・両者の関係 など

2)方法

・直接面接:データ収集に加えて、学習の動機づけになる
  オートクライン効果・・・自身の問題点や潜在的な欲求への気付きなど
 ・アンケート:今の状態と研修などに期待することなどを確認
 ・観察:学習者の周辺の状況とその中での本人の状況を直接観る
  スタッフは、日頃から現場でメンバーと話し合ったり、意見を聴いたり、置かれた
  状況を自分の目で確認しておくことが求められる。またそれが貴重なデータとなる。
  そのために、ありのままに見る観察眼・スキルを磨いておく必要がある
 

(4)データ分析

(3)で集めたデータが持つ意味について分析する。データは何を語っているのか?
 ・そこで何が起こっているのか
 ・それは何をもたらしているのか
 ・将来のありようにどうつながっていくのか
 の視点から、個人、チーム、組織いずれについても検討する

 そこから、この教育研修で求められいてるものは何か、本来的なニーズが表れてくる。
 それが、教育研修の目標につながっていく。

2019-03-01

真剣な討論から生まれるもの

「雨降って地固まる」というが、
ぶつかるからこそ、本当に信頼しあえる仲の良い関係になれる、という人も少なくない
逆に、それを避けたい人がいるのもまた事実

私も若いころは避けたい方だった

不快だし、苦しくなる
何よりも感情が先に来て、コントロールできなくなる
その後の関係も面倒だし、
相手への憎悪の想いが湧いてくるのが嫌だったのかもしれない

それでもたくさんぶつかったし、
激しくぶつかった後に、二度と口もきかない、関係が断絶する、
といったこともたくさん経験してきたし、目にもしてきた

だけど、一方で、もしこんな内面の状況に上手に対処できるものなら、
ぶつかるからこそ、本当に信頼しあえる仲の良い関係になれる」ことを
体験してみたいという思いもあった

つまり、うまく対処できるイメージがないので、
ぶつかって嫌な体験をした後は、
避けるしか選択肢がなかったわけだ

いまは、相手が真剣な想いを持っていると感じる時は、
真摯にぶつかり合うことを避けようとは思わない
エネルギーを使うので、ある程度、時間と気持ちにゆとりがあるときに限るが・・・


相手もそれだけの想いをもって接してくるわけだから、
こちらも覚悟とエネルギーが必要だが、
その熱い想いに至った背景に関心を持ってみたい

どんな体験があったのだろう?
何がそこまでの想いに至らせたのか?

私はこういう理由で、こう思うのだけど、
あたながそう主張する理由や
その背景にある体験を教えてもらえないだろうか?

わかってもらえない、もどかしい、イライラした感情を
相手にぶつけるのではない

時として、その誘惑と過ちに陥ってしまい、
そこから感情の対立が生じて。。。。
後味の悪い不快な感覚が残るイメージを持つ人も少なくないかもしれない

真剣な討論(ディベート/talking taugh)から得られるもの、それは・・・
・自分の中にはない実体験に基づいた異なる視点に触れること
・そこから生まれた熱い想いを知り、共感できること
・自身の想いに真摯に向き合う相手への信頼が生まれること
・違う視点からの意見に触れて、合意できなくても共感できる自分を味わうこと
もっともっと、たくさんありそうだ。。。





【10月スタート】2つのダイアローグの取り組み

 10月からダイアローグ(対話)の2つの取り組みをスタートします 仕事以外にこんな活動もやってるよ、というご案内と、10-12月はちょっと忙しくなるかも、という言い訳を兼ねて。以下、長文です。 ライフワークのように取り組んでいるダイアローグ(対話)に関して、来月から2つの取り組み...