2019-03-08

教育研修のプログラムデザイン(1) ニーズの把握

(1)ニーズとは

1)現実的欲求「~したい」

ゆっくりしたい」「旅行に行きたい」「ゲームをして遊びたい」など
 ・無視することはできない
 ・表面化させておくことは、学習の上でもプラスになる

2)変化(成長)への欲求「~のようになりたい」「~のように変わりたい」

・潜在的/自覚的なものと無自覚なものもある
 ・自分の現状への気づき ⇒  変化(成長)=現実からの脱皮、行動や態度の変容
 ・無自覚なニーズを引き出すことができると、学習効果につながる

(2)プログラム・デザインの際のニーズについて

1)学習者のニーズ

・どのようなことを期待しているのか
 ・どのようになりたいのか
 ・何を学びたいのか
 データ収集を行い、まずは学習者のニーズに光を当てる

2)スタッフのニーズ

・何のために開催するのかを明確にしておく
  伝えたいことは何か/社会が求めているものはなんであるかを明確にする

3)2つのニーズのすり合わせ

学習者とスタッフのニーズが明らかになれば、2つのニーズをすり合わせる
 主催側のスタッフ・ニーズが中心になりがちだが、学習者が自覚的(意識的)/無自覚(潜在的)に求めていることにも、ふだんから深い関心を持って観察し、情報を収集しておくことが必要

(3)データ収集

学習者・スタッフ双方の現状を把握する

1)テーマ

・これまでの経験
 ・現在の関心や期待
 ・問題意識
 ・持っている力(リソース)
 ・心理的な状態(不安感など)
 ・双方を取り巻く環境
 ・両者の関係 など

2)方法

・直接面接:データ収集に加えて、学習の動機づけになる
  オートクライン効果・・・自身の問題点や潜在的な欲求への気付きなど
 ・アンケート:今の状態と研修などに期待することなどを確認
 ・観察:学習者の周辺の状況とその中での本人の状況を直接観る
  スタッフは、日頃から現場でメンバーと話し合ったり、意見を聴いたり、置かれた
  状況を自分の目で確認しておくことが求められる。またそれが貴重なデータとなる。
  そのために、ありのままに見る観察眼・スキルを磨いておく必要がある
 

(4)データ分析

(3)で集めたデータが持つ意味について分析する。データは何を語っているのか?
 ・そこで何が起こっているのか
 ・それは何をもたらしているのか
 ・将来のありようにどうつながっていくのか
 の視点から、個人、チーム、組織いずれについても検討する

 そこから、この教育研修で求められいてるものは何か、本来的なニーズが表れてくる。
 それが、教育研修の目標につながっていく。

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