2022-09-24

【10月スタート】2つのダイアローグの取り組み

 10月からダイアローグ(対話)の2つの取り組みをスタートします

仕事以外にこんな活動もやってるよ、というご案内と、10-12月はちょっと忙しくなるかも、という言い訳を兼ねて。以下、長文です。

ライフワークのように取り組んでいるダイアローグ(対話)に関して、来月から2つの取り組みをスタートします。

「対話のきくはなすを学ぶ場」 価値観の違い編 (10-12月開催) 主催:学びの場

「キセキのダイアローグ」 10-12月開催(隔週実施) 主催:RIDGeX/学びの場

◆◆◆


ものごとのとらえ方や価値観など様々に異なる人々が、互いに受け入れあい、理解しようとするダイアローグのスキルは、多様性を大切にする社会において、生きやすくなるための基礎能力だと考えています。


これまで、ダイアローグ(対話)の実践場にもたくさん参加しましたし、自分でも場を開いてきました。

そうした中で感じてきたことは、

1) 場に参加し対話体験を重ねても、それだけでは対話の持つ可能性は形になりにくく、対話の基礎力があった方が望ましいこと

2) そして、「対話」がイベントやワークショップの場だけの限定的なものになってしまい、日常であまり活かされていないこと

でした。

そこで、現在は、実践につながるための場を設けたいと思って、以下の2つを両輪とした取り組みを行っています。


■取り組み1:対話の基礎力を身につける

一昨年、対話の基礎力を身につけていく取り組みとして、3つのテーマでの対話の基礎力のワークショップを開催しました。

この時に感じたことは、それぞれに、これまで習慣的に身に沁みついてきたコミュニケーションのスタイルがありますので、一度の学びの体験だけでは身に着くものではないということです。

自転車の練習と同じように、繰り返し対話の練習ができた方がいいと感じたのですが、そうした機会はほとんどありません。

そこで、昨年から始めたのが「対話のきくはなすを学ぶ場」です。

オンラインで毎月1回、同じテーマで繰り返しワークを行うスタイルで取り組んできました。今年は、対話の基礎力を身につけていくために、3か月ごとに「聴き方」「応答」「質問」などのテーマを設定した取り組みを行ってきました。

そして、来月10月から「価値観の違い」をテーマに新たに3ヶ月の取り組みをスタートします。

「対話のきくはなすを学ぶ場」 価値観の違い編 (10-12月開催) 主催:学びの場


■取り組み2:対話の力を自らの成長に役立てる

対話の力を日常生活の中に生かす取り組みとして、昨年取り組み始めたのが「キセキのダイアローグ」です。

キセキのダイアローグでは、2週間毎にオンラインで集い、その期間にあった自らの歩みについて、語り合います。

1人の話を聞いたら、聴き手は、アドバイスや評価をするのではなく、そこから感じ取ったことなどをコメントしていきます。それを受けて、話し手は、自ら感じたことを言葉にします。その流れで、自由な対話の時間を持つのですが、定期的に歩みを言葉にすることで、自らの内省にもつながり、歩みの定点観測にもなります。


歩みの軌跡(キセキ)を語るダイアローグという意味でネーミングしましたが、聴き手からのコメントをもらい対話を重ねることで、自分では思いもしなかった視野が開けたり、捉え方の転換が起きたりと、ご本人にとって一人では至ることのできなかった奇跡(キセキ)のような体験も起きています。

昨年は、隔週3ヶ月の開催を3ターム実施しましたが、運営の負担が大きく、今年は休止していました。参加者を中心に、再開を求める声をいただいて、来月10月から再度開催することになりました。

「キセキのダイアローグ」 10-12月開催(隔週実施) 主催:RIDGeX/学びの場


対話の基礎力を高めたいと考えておられる方、対話の力を活かして日々の歩みをより充実したものにしたいと思われる方は、よろしければ、ぜひご一緒しましょう!

※詳しくは、それぞれのリンク先をご覧ください


2022-08-25

アンラーニングと学び直し

今朝、何とはなしに「アンラーニングと学び直し」のことばが頭の中を巡った

20年近く前になるが、キャリアデザインの研修プログラムなどをつくっていたU先輩が、「これからのミドル以降のキャリアにおいてはアンラーニングが大切」とよくおっしゃっていた。が、残念ながら、その当時はその意味がよくわからなかった。

ここ数年、また目にする機会が増えてきたように感じている。

あたかも器の中身を入れ替えるように、「学んで身につけてきたコンテンツを捨てて、新たなことを学びとる」ような使い方も散見するが、何か違和感を覚えることが少なくない。

ミドル以降のアンラーニングの本質は、
 ・人生を通じて培ってきた自分なりの物事の捉え方の枠組みがあって、
  無自覚にその枠組み で世の中全般を捉えていることに気づくこと
そして、
 ・その枠組みに捉われすぎることなく、それ以外の捉え方をも取り入れることのできる
  柔軟さを身につけていくこと
ではないかと感じている。

判断をSuspendする能力に近いかんじかなぁ。。多様な価値基準を受容するベースになる能力のようにも感じる。

ロバート・キーガンの成人発達理論の「自己変容・相互発達段階」のようにも思える。

仏教の唯識にも似たような概念があったような気がする。

アンラーニングに関しては、きちんと学んでいないので、現在の専門の世界ではどのように扱われているのか、いつか確認してみよう。。。

2022-08-24

カタカナ語、アルファベット語

「NHKなどでもカタカナ語が増えて、理解できないことがある」というシニアの声を耳にすることもあり、頭の片隅にひっかかっていた。

最近、「STEM教育」という言葉を目にして、「おっ、これはなんだ」となって少し調べてみた。

21世紀型の教育システム、世界各国で導入され始めている、「STEM教育研究センター」を設置した国立大学がある、初等教育・義務教育の段階でも重要視、などの説明が踊る。

一部を抜粋して整理してみると・・・

ーーーー

STEMとは

S:Science(科学)

T:Technology(技術)

E:Engineering(工学)

M:Mathematics(数学)

それぞれの頭文字を取った言葉で、科学・技術・工学・数学のいわゆる理系の教育分野を総称した言葉。

派生した言葉として

・STEAM:STEMに「Arts(芸術)」あるいは「 liberal Arts(リベラルアーツ )」を加えた

・STEAMS:STEAMに「Sports(運動)」を加えた

・STREAM:STEAMに「R(Robotics、ロボット技術)」を加えた

・eSTEM:environmental STEMの略称で、STEMに環境教育を加えた

・GEMS:Girls in Engineering Math and Scienceの略称。女性をSTEM分野に進出させるためのプログラム

ーーーー

経営分析におけるTEST分析、STEEP分析などと同じような言葉の感覚なのかな。

狭い専門領域での共通理解を基に使われていた言葉が一般化してくると、意味の捉え方が変化したり、言外に含まれる背景や本質が抜け落ちたりすることもある。

それでも、分かったように使われ広がっていくと、専門外の多くの人にとっては「?」となることもある。

しかたがないのかもしれないが。。。何かちょっと複雑な感覚

2022-08-21

【忙中閑話】「洋」=水+羊

どうでもいいことだけど・・・

世界地図を眺めながら、ふと思う。

太平洋、大西洋、インド洋、
最も大きい太平洋の西側にあるのが「東洋」で、東にあるのが「西洋」
なんか、おかしくないか?

レ点を入れると「東洋」「西洋」は「洋の東」「洋の西」
洋が大きな海を意味するなら
 東洋=太平洋の東
 西洋=太平洋の西
とも考えられるよね。
つまり、太平洋の西側にある東アジアが「西洋」で、東側にある北米が「東洋」なのでは?

でも、実際の使い方は違っているなぁ。

なんて、どうでもいいことに思いを巡らせていると、
そもそも「洋」ってなんだ?という疑問が湧いてきた。
 「洋」=水+羊 どうして「羊」? ん、羊水?


ということで、1)「洋」の字源 と 2)羊水について調べてみた。


1)「洋」について

 ①うみ。大きなうみ。「遠洋」「海洋」 ②世界を二つに分けたそれぞれの部分。「東洋」「西洋」 ③「西洋」の略。「洋食」「洋風」 ④ひろい。みちみちたさま。「洋洋」「芒洋(ボウヨウ)」(漢字ペディア https://www.kanjipedia.jp/kanji/0006939400)

ヒツジのまるみを帯びた形態的特徴から「ゆったりと大きい」「たっぷりと豊かである」というイメージが捉えられた。 水は「みず」に関係があることを示す限定符号。したがって洋は水がたっぷり満ちて大きく広がる状況を暗示させる。(中略)意味はコアイメージによって展開する。「大きく広がる」「たっぷりと満ちる」というイメージから、広大な海という意味を派生する。ただしこの意味で洋を使うのはかなり時代が遅い。(常用漢字論 http://gaus.livedoor.biz/archives/27121620.html)


2)羊水について「海 羊水」で検索

・「ヒトの胎児が育まれる子宮の羊水の組成は古代海水のそれに似ているという」
 (平松記念病院 院長メッセージ http://hiramatu-mhp.or.jp/clinic_director/2013/06/06/1636/)

・「海水中ミネラル濃度分布はヒトの体液(血清)中ミネラルバランスと正の相関関係がみられます。種の起源は海水からといわれているように、私たち人間の羊水はやはり海の水でしょう。私たちが産まれる前にお母さんのお腹の中で羊水に浮かんで暮らしているわけです。」
(「海のミネラル ~ひとの羊水としての海水~」
タケダライフサイエンスリサーチセンター・疾病予防センター所長◆木村美恵子
https://www.spf.org/opri/newsletter/66_1.html)

やはり、羊水と海はつながっているんだなぁ。。。
ところで、なぜ「羊水」っていうんだろう???


【羊水の語源・由来】

羊水は、羊膜の内側を満たす液であることからの名。

羊膜は英語で「amnion」といい、「amnion」はギリシャ語で「仔羊」を意味する「amnos」に由来する。

羊膜の語源が仔羊であるのは、生まれたばかりの膜に包まれた羊からの連想や、柔らかさが仔羊に似ているからとする説。

生贄の羊の血を入れる容器を「amnios」といい、血が混ざっていて生贄の羊の血を入れた容器のように見えたことから、また、羊膜の形がその容器に似ていたことからなど諸説ある。

(語源由来辞典 https://gogen-yurai.jp/yousui/ )


漢字表記が先にあったわけじゃないんだ。。。「洋」と「羊水」は関係なかった><


こんなことばかりやっているので、仕事が進まないのだけれど、こうした思考の広がりを楽しむあそびもまたよし(^^)


2022-07-20

生まれてくる言葉

「僕らは、自分が考えていることを言ってみないことには、それが何かわからない」

「考えることを見つけるためには、話し続けなければならない」

                                                            ---ハロルド・グーリシャン

「表現が先で、それから意味が生じる」


 『ナラティヴ・セラピー・ワークショップ Book 1 基礎知識と背景概念を知る 』 国重浩一著 より抜粋

―――

ナラティヴに触れて、

言葉に大切に向き合うようになると、

ことばが生まれてくることへの感覚が

研ぎ澄まされていくように感じる



胸の内の感覚が、初めて言葉になるとき、

この言葉でいいのだろうか?

いや、ちょっとニュアンスが違うけど、別の表現は思いつかない

うまく表現できない

 

もどかしさを感じながら、言葉を探す。

 

 それでも、言葉に出すことで、

胸の内の感覚と口に出した言葉の差異を感じ、 

試行錯誤しながらピッタリとくる言葉を探していくことができる。

 

 時には、聴き手の方からのコメントに、

「そうそう!それを言いたかったんだよ」

と、ピッタリくる言葉を見つけてもらうこともある。

 

そんなときは、

もどかしさを感じながらも、言葉にすることにチャレンジしてよかったな!

と感じる瞬間。

 

 言葉に出さなければ、想いや感覚が「カタチ」を持つことはない。


2022-07-18

キャリア研修を実施しました

先週、大手の企業様のキャリア研修を実施させてもらいました。

対象は、今年30歳で受講希望された方16名。

その企業の中でも、将来を嘱望された方々のように感じました。


開始から終了まで8時間のオンラインでの1日研修。

「自らの気付きが生まれる場」を創ることを意識して、プログラムを全面改訂。

対話の時間を大幅に増やした構成にしました。

勤務地も職種も異なる方々との語り合いは、お互いに大いに刺激になったようでした。


プログラム改定、テキストや事前課題の作り込みには、大変苦労しましたが、グループでの対話を通じて、様々な角度からご自身のこれからの歩みについて考えていただく機会になったのではないかと思います。

新たな内容として、経験学習やダブルループ学習などのミニレクチャも交え、また5月末に発表された経産省の「未来人材ビジョン」にも触れてみました。


研修最後のお一人おひとりの声をお聞きすると、「自らの気付きが生まれる場」を創ることを意識して取り組んでよかったなぁと、しみじみと感じました。以下、研修最後のコメントからいくつか抜粋してみます。


・「こうなりたい」と話すことは結構恥ずかしいし、職場ではとてもできない。口に出して真剣にキャリアについて考えて喋ることのできる貴重な機会になった。

・書いたり話したりすることで、何となくぼんやりしていた部分が、すごくクリアになってくる

・いろんな部署の方の話を聞けるというのはなかなか無い機会。今日は自分にとってすごく有意義な時間になった

・自分が歩んできたキャリアはそんなに間違ってなかったなと確認できて、非常に良かった

・やりたい方向、生きていきたい方向が明確になった。自分の軸が確認できた

・意識の高い仲間がいることが分かった。自分一人でできないことは、共に協力し合いながらやればいい。

・自分もそうだが、会社が思っている考え方と自分の価値観が合っている。会社の方向性や自分たちの仕事に関しては、皆誇りを持っている。

・思うこと・悩んでいることは、自分だけじゃなく、みな同じようなことなんだな、と知ることができた


結婚して、子供が生まれた・生まれそう、という方も多くいらっしゃって、家族の時間、プライベートの時間を充実させたいという想いが大きくなっていることが伝わってきました。

また、共働きの今の時代に、ご自身の異動がパートナーのキャリアにも影響することとどう向き合えばいいのか、といった「答えのない悩み」も共有されていたようです。


次は、40歳を対象としたキャリアデザイン研修がはじまります。


2022-04-17

無意識の前提が見えてくる

無意識の前提が見えてくる:


仕事がら、

「社外の人」として

会議や打ち合わせに

参加することがあります。


立場上

途中で口をはさみにくいこともあり、

場を観察していると、

個人や組織の中にある

無意識・無自覚な「前提」が

見えてくることがよくあります。


表面的なやり取りは

噛み合っているように見えても、

前提となっていることが異なっているときは、

その場ではいったん物事が決まっても、

具体的な話になるほどに

食い違いが生まれてきます。


そういうときに、

次に起こるのは

静かな主導権争い。


複数の人が

複数の意見や考えを持っている場合、

どれにするか(どの意見を選ぶか)

という話し合いが

行われることは多いようです。


そこで生まれるのは、

話し合いの勝ち負け。


勝った人は

「決定」を盾に、

実行を迫ります。


負けた人には、

不快な思いが残るためか、

決定事項を実践するパッションは

生まれにくいように見えます。


ホントは、

それぞれの意見の背景や理由を出し合って、

新たな考えが生まれるような

話し合いであって欲しいのですが、

そのためには、

それができるようになるための

下準備が必要になります。


知識やスキルの習得も必要です。


しかし、

永年の無意識の習慣になっているため、

一度の学びでは

行動の変化までには至らないことが

多いようです。


それでも、

意識的に取り組んでいく意志があれば、

変化が生まれてきます。 私の仕事は、この先のご支援です。

「下準備」のお手伝いをしたり、

「意識的に取り組んでいく意志」のある組織と

一緒に取り組んでいったり・・・

そして、

「日常活動の中でも、

 そうあることができれば

 生きやすくなるだろう」

と取り組んでいるのが

対話の活動です。


【10月スタート】2つのダイアローグの取り組み

 10月からダイアローグ(対話)の2つの取り組みをスタートします 仕事以外にこんな活動もやってるよ、というご案内と、10-12月はちょっと忙しくなるかも、という言い訳を兼ねて。以下、長文です。 ライフワークのように取り組んでいるダイアローグ(対話)に関して、来月から2つの取り組み...