異なる考えや意見の交流の場において、ファシリテーターの関わりいかんで、場の生産性が大きく変わることは広く知られるようになってきました。
ファシリテーターの需要は今後も広がっていくと思うのですが、その育成は簡単ではないように感じています。
会議や話し合いの場が上手くいかないことに突き当たって、ファシリテーションを学び始める人は少なくないようです。
良い場づくりのために、自分勝手な人や「声の大きい人」を黙らせて「思い通りに場を創りたい」=「相手を操作したい」という動機で取り組んでいる人を時々見かけます。
しかし、これでは立場が入れ替わるだけで、同じ状況を再生産することになりかねません。
こういう場合、ファシリテーターの育成の場において、先に使える「ファシリテーションの道具」をどんどん渡すと、かえって共創とは程遠い操作的な場が作られていき、一人ひとりを大切する関係にはならないのではないか、という懸念がありました。
そのため、ファシリテーターとしての人材を育成するためには、まずは互いに敬意を払い、誰もが参加できる場を創るなどのファシリテーション・マインドを伝え、理解いただくところから始めた方がいいと考えていました。
ところが、対人関係の姿勢は、長年培われてきた経験に基づいたその人の人間観に根差しています。
これは、その人がどんな人生を送りたいのか、どんな人間関係を築きたいのかに深く関わっているため、簡単には切り替えられない難しさも感じてきました。
一方で、
・「人材を育成する」なら、その人が独り立ちできるようにあらゆる支援をする
・概念的なものを伝えるよりも、みんながどんどん使えるように「道具」を手渡す
・講師の満足や達成感のための時間に付き合わされる受講者は本当に可愛そう
との指摘もあります。これももっとだと思います。
スキルとマインドはどちらも大切で、一方だけではまさに「片手落ち」なので、バランスを図りながら、螺旋を描くように両方を学んでいただくような関わりを模索していきたいと思っています。
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以前、ファイナンシャル・プランナーの学びの場でも同じことを感じてきたことがあり、少なからず既視感を覚えています。。。
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