2021-02-07

グループダイナミクスに気づく10の手がかり

「インターベンションスキルズ」読書会より

 第5章 介入のタイプと深さ の中で、グループダイナミクスに気づくための手がかりとして、10項目が紹介さ入れている。

それぞれの項目において、極端な行動が生じている時は、介入が必要な何かが起こっている可能性が高いという。

読書会のダイアローグの中から、気になったところ、印象に残ったところなど、手元メモを中心に備忘として記録しておきたい。


●「1.ゴールの明確さ」より
 (ゴールやミッションに合意できているか/全員にとって明らかになっているか)
◎生じうる状況
・暗黙の裡に「わかっている」ことを前提として、場に出てこないことがある
・「ゴール」の捉え方自体がバラバラなことがある
・「何のために開かれているか」と「この場(今日)のゴール」は必ずしも一致しない
・主催者が着地する「ゴール」を決めてしまっていて、参加者が無力感を感じることも
・話し合うことなく「合意」している体になっていることもある
◎介入の例
・「今日は何のために集まったんですか」→主催者に語ってもらう
・「これが終わった時には、どういう状態だったらいいですか?」→参加者に問う
 ⇨ ホワイトボードに書き出して、明確化しておくとブレにくい
◎参加者の反応例
・「わかっているから、早く進めよう」「時間も限られているから、早く本題に入ろう」
 → ファシリテーターとしては踏ん張りどころ
◎「アウトカム」と「アウトプット」
・「ゴール」に含まれる意味合いは使う人によって異なるように感じることが少なくない
  → 理解が異なる?
・「アウトカム」:この場から私の中にやってきたこと
 「アウトプット」:この場から出てきたもの、生まれたもの
 と捉えると分かりやすくなった
・ファシリテーターとして、区別して問いかけることはあまりない
 「気づき、学び、感じたこと」
 「この場を経験して、明日これをやってみようと湧いてきたものって何でしょう?」
・「考えが整理された」「気づいた」「湧き上がってきた」・・・アウトカム?
・「今日決まったこと、出てきたこと」「ホワイトボードに出てること」・・・アウトプット?

●「4.エネルギー」より
・よく使うし、耳にするが、別の言葉に置き換えてみると・・・
 「パワー」「熱量」「熱さ」「活発さ」「勢い」「フロー状態への移行」
・「乗っていて、上手くいっている」感じになっている時に、冷静さを取り戻す介入
  (立ち止まる)が必要な時もある。一見上手くいっているように見えるが、
  声を上げない人がいる中で進んでいるときなど
・エネルギーを抑制する介入は、場を冷やしすぎるリスクもある

●「7.流れ」より
・「逸脱する隙間がないグループがある」事前に準備したとおりの進行を優先するなど。
 初めてファシリテーターを行うときなどにも起こりやすい。

●「10.介入に対するグループの反応」
・介入に無条件に従っている状態は、依存的になっている可能性がある
・場を止めるか止めないか・・・自分たちが決めるという自覚を持ってもらうのが良い
・「ちょっと立ち止まろうよ」立ち止まってみることで、あとで「止まってよかったね!」
 となることはあっても、悪くなることはあまりない。
・「時間」を理由に、立ち止まることに抵抗感が生じることもある
 → 早い段階で時間に対するスタンスを明確にする:優先するのは時間か納得か
 → 何のためにやっているの?目的を明確にする
 → 決まること=成果、決まらない=無駄な時間 という組織のディスコースも
⇨ 組織のディスコースに働きかけるとしたら・・・

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